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同じコンセプトで、メインキャラクター達のシフトも最初からよく練られてましたね。鬼太郎ファミリーという考え方ができたのも、この第三期からです。ねずみ男、目玉おやじに加えて、子泣きじじい、砂かけばばあ、ネコ娘、一反もめん、ぬりかべ、それから後半にはシーサーが入ってくる。主役側が軍団やファミリーと呼ばれる集団を形成しているという考え方は一期、二期ではなかったものだし、原作でも第三期と同時に連載が開始された「新編」まではそれほど意識されていなかった。子泣きじじいも砂かけばばあも、旧シリーズでは悪い妖怪じゃないというだけで、ゲストキャラ、せいぜい準レギュラーですよ。たまに大勢揃うと見てる方はお祭り騒ぎでしたから。
でも、第三期では最初からチームなんですよ。チームワークを重視する物語進行が常に心掛けられてるし、それぞれのキャラを立てるための演出も細かいところまでなされている。キャラクタードラマ、群像劇として組み立てられてるわけです。そのあたりが計算づくだということは、第1話「謎の妖怪城出現!」ですでに明らかですよね。頭っからレギュラー全員が次々と登場するし、しかも名前がテロップで表示される。いわば鳴り物入りで登場するでしょ。「あ、この路線で行くんだ」と思いました。こりゃ毎回お祭りだなあと(笑)。
旧作の場合は基本に善悪の対立があって、ねずみ男が越境者として境界にいる、という構図でしょう。その構図を覆すような深い話もあるんだけど、基本があるから覆しもできるわけで。第三期の場合は最初っから善悪入り乱れた集団ドラマなんですね。もちろん、勧善懲悪的な構図は温存されているんだけど、妖怪イコール悪、じゃない。もちろん第二期なんかも、人間イコール善じゃない、というテーマの掘り下げはあったわけですが、妖怪の方は超然としてるか退治されるかだった。ところが第三期は妖怪が主役なんですよ。妖怪どもの方に「人間ドラマ」がある。葛藤したり改心したり、いろいろする。妖怪どもはみんな越境者として描かれる。つまり、全員が旧作のねずみ男のポジションになってるんですよ。
そのせいか、第三期のねずみ男はあまりずるがしこくないし、トラブルメーカーではあるけど、トリックスター的な活躍はしません。むしろ気のいい人情家ですね。声優をやってくださった富山敬さんの魅力が十分に引き出されていて、とても魅力的な、第三期ならではのねずみ男のキャラクターに仕上がっている。
反面鬼太郎はやや好戦的ですね。「のんびりした鬼太郎の味が出てないんじゃないか」という意見もあるようですが、全体の構成と時代背景を考えると、むしろ正解だったと思います。ヒーロー然としてるとか正義の味方っぽく作ってるとかいう以前に、チームとしてそういう役割が振られている。それまで無性格だった一反もめんやぬりかべにまできちんとした人格が与えられたわけですからね。鬼太郎もチームの要としてのポジションがきちんと決められてるわけで、だからこそ反省したり助けあったりするドラマが作れたんだし。
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