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妖怪・水木しげる作品への深い造詣でも知られる小説家・京極夏彦さんが語る
80年代版「ゲゲゲの鬼太郎」アニメの魅力について語る特別企画ページ第二回
第二回は、妖怪のキャラクター重視の本シリーズならではの楽しみ方のツボ、などを紹介してくださいました。
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第三期の鬼太郎は、ムチになったり剣になったりするオカリナを持ってますね。あれも鬼太郎らしくないと言う人がいるんだけど、第三期の世界観だとあのぐらいわかりやすい武器を持っていないといけないですよ。敵は人間世界に実体を持って攻めてくるんですし。下駄もちゃんちゃんこも武器なんだけど、あれは基本的に衣類なので、攻撃がわかりにくいんですよね。外国の方は下駄が武器になるってそもそもわからないようです。
殴ったり蹴ったりするのは鬼太郎に似合わない、という意見もとりあえず却下です(笑)。
過去のアニメ作品においても、原作においても、鬼太郎は敵の妖怪を呪文で封じ込めたりおまじないでやっつけたりということは一切していないんです。毒を食べさせたり、爆発させたり、生き埋めにしたり、二つに切ったり首締めたりね、そりゃもう残虐な(笑)、物理的実力行使でやっつけてるんですよ、全部。むしろムチや棒で叩いたりする方がずっとスマートでかわいらしい。
だから鬼太郎も妖怪も、摩訶不思議な存在なんだけど、僕らと同じで叩けば痛いし、切れば死ぬ血肉を持った存在なんだという。まあ、死なないんだけど、とりあえず叩けば痛がる。身近なキャラクターとして認知してもらうためには、ああいうわかりやすい武器は必要だったと思いますね。おもちゃにもなりますし。ここは大事(笑)。
一から十まで、すごく計算されてますよね。僕がスタッフだったら、たとえば原作に引きずられたり、雰囲気に飲まれたりして、こういう思い切った改変はなかなかできなかっただろうと思います。原作や旧作に慣れ親しんだ人には考えつかないような、それでいて原作や旧作をよく知っていないとやっぱり考えつかないようなことばかり次々にやってくれたのが第三期。それで、水木ファンを大量に増やしてくれたんですから、水木しげるの信奉者としてはありがたい作品と言うべきですね。
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| 剣になりムチに変形するオカリナ(笛)。 ムチは戦闘用としての他、ロープ代わりにも使われた。 |
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